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管理組合におけるトラブル

管理組合におけるトラブル

新しく理事会役員になられた方、日頃の疑問や多くの悩みを持たれている方に対し、「管理組合におけるトラブル」関するものを基礎にQ&A形式で掲載いたします。

 

 【管理組合におけるトラブル】

  (1)義務違反者
  (2)ペット
  (3)駐車場
  (4)騒音・臭い等
  (5)管理費滞納問題
  (6)分譲契約をめぐるトラブル
  (7)周辺住民とのトラブル 

先ずは、5つの質問をご紹介します。(2024年1月5日新規記載:1~5)                        

 1.「共同利益背反行為」とはどのようなことですか。 

 2.専用庭を駐車場として使用できますか。

 3.ペット飼育禁止ですが、理事会として飼育を認めようと思います。どのようにし
         たらよいですか。 

 4.マンション敷地内に不法駐車が多くて困っています。よい対策はないですか。

 5.管理組合の紛争を法的に解決する場合に注意をしておくことがありますか。  


Q:「共同利益背反行為」とはどのようなことですか。

A: 区分所有法第6条1項は、「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物
  の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。」
  と区分所有者の義務について定めています。これに反する行為が「共同利益背反行
  為」に当たり、義務違反行為ともいいます。
  なお、この規定は、専有部分の占有者にも準用されます。

Q: 専用庭を駐車場として使用できますか。

A: 専用庭はその住戸の専用の庭ですが、その土地は区分所有者全員の共用部分です
  ので、規約や細則で定められている用法に従って使用しなければなりません。した
  がって、専用庭を用法以外に変更して使用することはできません。 

Q: ペット飼育禁止ですが、理事会として飼育を認めようと思います。どのようにし
  たらよいですか。 

A: 管理組合で専門委員会等を設け、アンケート等により組合員の意思を集約しまし
  ょう。飼育を認める意見が多いのであれば、なぜ飼育を認めるのかを広報等により
  充分啓発しましょう。また、反対する組合員が居れば話し合いの場を設け、十分論
  議を尽くしましょう。
  そのうえで、飼育を認める合意が醸成されるまで粘り強く対応する必要がありま
  す。飼育を認めるにあたっては、規約を改正し、飼育者に共同の利益に反しない行
  動を求めて細かいルールづくりをしましょう。        

Q: マンション敷地内に不法駐車が多くて困っています。よい対策はないですか。

A:不法駐車は、管理組合の抱える大きな悩みの一つですが、次のような対策が考えら
   れます。
        ①不法駐車を行わないよう広報等により理解を求める。
        ②規制看板や注意看板を要所要所に設置する。
       また、駐車禁止文字やゼブラゾーンを路面に標示する。
        ③フラワーポット等の障害物を置いて、駐車できないようにする。
        ④役員や居住者による夜間・休日の見回りを行う。
        ⑤不法駐車車両があったとき、次のことを行う。
         ・不法駐車車両のワイパーに「警告票」を挟んで注意を促す
         ・ナンバーを控えておく。
           「警告票」は直接車に糊付けしたりすると器物破損等のトラブルになったり
             するので注意が必要です。
        ⑥警察の協力を仰ぎ交通安全キャンペーン等を実施する。
        ⑦駐車場不足が原因の場合は、増設を検討する。 
        

Q: 管理組合の紛争を法的に解決する場合に注意をしておくことがありますか。  

A: マンション管理において、管理組合は、管理業務の一部を管理業者に委託してい
      たり、マンション管理士、税理士、公認会計士等の外部の専門家に監督等を委託し
      ている場合があるかと思われますが、健全な管理を実行するために、法的手続を取
      らざる得ない場合、管理組合に代わって手続きを進めてもらう場合には、弁護士代
      理主義が採用されていますので、訴訟手続に関して、必ず弁護士資格のある者によ
      る必要があります。
    特に、滞納者への支払請求が、支払督促手続に及ぶ場合には、法的手続に入る段階
      から弁護士による必要があります。この場合に重要な問題となるのが、当該弁護士
      の①利益相反行為の禁止と、弁護士資格がない者による②非弁活動の禁止と、③非
      弁活動者と弁護士との提携の禁止です。
    したがって、紛争解決のために法的手続を行うに際しては、管理組合としても十分
      な注意が必要です。 


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